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「痩せる菌」の正体とは? 腸内環境を整えて健康的に痩せよう!

2021-11-29

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よく巷では「痩せやすい体質」「太りやすい体質」などという言葉を耳にしますが、その理由は腸内環境にあるのかもしれません。健康的なダイエットのためには、腸内環境の仕組みや役割を知り、「痩せる菌」を増やすことが大切です。

ここでは、腸内に棲む細菌の種類や働き、そして「痩せる菌」を増やすための方法などを詳しく解説します。

ダイエットに欠かせない「痩せる菌」とは

ダイエットに欠かせない「痩せる菌」とは.jpeg

「痩せる菌」の正体は腸内細菌

私たちの腸内には約1000種・100兆個以上の腸内細菌が棲みついています。腸内細菌の様子を顕微鏡で観察するとさまざまな植物が群生するお花畑のように見えることから「腸内フローラ」とも呼ばれています。

腸内細菌には、食物を栄養に変える・病原体などから身体を守る・健康を維持するなどの役割があります。そして、ダイエットに欠かせない「痩せる菌」も腸内細菌の一つなのです。

腸内細菌の種類

腸内細菌には主に3つの種類があります。

善玉菌

善玉菌は、体にとって良い働きをする菌です。悪玉菌の侵入や増殖を防いで腸内環境を良くしたり、腸の蠕動運動を促してお腹の調子を整えたりする役割を担っています。

代表的なものとして、ヨーグルトなどでもおなじみのビフィズス菌や、乳酸菌のフェーカリス菌、アシドフィルス菌などが挙げられます。

悪玉菌

悪玉菌は、善玉菌とは反対に、体にとって悪い働きをする菌です。脂質や動物性たんぱく質を好み、有害物質を作り出して腸内環境を悪化させます。

悪玉菌の増加は、便秘や下痢だけでなく、老化や発がん物質の生成などにも影響があると言われています。代表的なものとして、腸内の腐敗を促す大腸菌や、食中毒の原因菌としても知られるウェルシュ菌が挙げられます。

日和見菌

日和見菌は、善玉菌にも悪玉菌にも属さない菌です。腸内で優勢の菌に味方するため、体に良い菌にも、悪い菌にもなり得ます。

「痩せる菌」として注目されているバクロテロイデスは日和見菌に分類されます。

太りにくい身体を作る「短鎖脂肪酸」

一般的に「痩せる菌」と言われるのは、前述の善玉菌や日和見菌のバクテロイデスです。

善玉菌やバクテロイデスが作り出す酢酸・プロピオン酸・酪酸などの短鎖脂肪酸には、脂肪を燃焼させる・食欲を抑える・代謝をあげるなどの効果があります。

体内でこれらの菌を増やすことで、太りにくい身体を作ることができるのです。

次世代の善玉菌「アッカーマンシア・ムシニフィラ」

近年はさまざまな研究により、腸内細菌の働きもより詳しく解明されつつあります。その中でも次世代の善玉菌として注目されているのが「アッカーマンシア・ムシニフィラ」です。

通常、腸の壁は粘着性のムチン層に覆われています。ムチン層は、有毒な細菌などが体内に入り込むのを防ぐバリアー機能を担っています。しかし、食物繊維などが不足すると、もともと腸内に棲みついている細菌がムチン層を食べてしまい、腸内環境が悪化して炎症や感染症などを引き起こしやすくなります。

アッカーマンシア・ムシニフィラはムチンを分解すると同時に、ムチンを生成する指令も出し、腸内環境を整える働きを持っています。また、糖尿病や肥満を防ぐ効果もあるとされ、スーパー善玉菌として熱い視線を集めているのです。

アッカーマンシア・ムシニフィラを増やすには、ブドウなどに含まれるポリフェノールや、茶カテキンの摂取がおすすめです。

「痩せる菌」を増やす食材・メニュー

日々の食生活を見直し、腸内環境に良い食事を心がければ、「痩せる菌」の増加を促すことができます。そこで、「痩せる菌」を増やしたい人におすすめの食材やメニューをご紹介します。

「痩せる菌」におすすめの食材

・水溶性食物繊維

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類が存在します。その内、「痩せる菌」を増やしたい方におすすめなのは水溶性食物繊維です。

水溶性食物繊維には、善玉菌の餌となり腸内環境を整える働きがあります。また、粘着性があるため胃腸の内部をゆっくりと移動し、満腹感を持続させるにも効果的です。

水溶性食物繊維を多く含む食材としては、昆布・わかめ・ひじきなどの海藻類、オクラ・長芋・納豆などのネバネバ系食材、大豆・大麦・いちご・いよかんなどが挙げられます。


・レジスタントスターチ

レジスタントスターチは、消化されずに大腸まで届く難消化性デンプンです。水溶性食物繊維と同じく、レジスタントスターチも腸内の善玉菌の餌となり、「痩せる菌」の増殖を促す効果があります。さらに、不溶性食物繊維と同様に、便のかさを増して便通を整える働きも期待できます。

レジスタントスターチを多く含む食材には、インゲン豆・トウモロコシ・大麦・白米・全粒小麦・ジャガイモなどが挙げられます。ただし、白米は炊くと消化しやすいデンプンに変化してしまうため、レジスタントスターチを多く摂取したい場合はおにぎりにするなど、冷ましてから食べることをおすすめします。


・発酵食品

発酵食品も「痩せる菌」を増やすためには有益な食材の一つです。発酵食品にはビフィズス菌などの善玉菌が含まれており、腸内環境を整える働きを持つプロバイオティクス食品として注目を集めています。

ちなみに、プロバイオティクスとは「腸内フローラのバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物」を意味する言葉です。

納豆やぬか漬けなど日本ならではの伝統食や、味噌・醤油・酒などの発酵調味料を毎日の食生活に上手く取り入れれば、「痩せる菌」を効率的に増やすことができます。


・糖アルコール・オリゴ糖

糖アルコールとは、キシリトール・ソルビトール・マンニトールなど糖質甘味料に分類される成分の総称です。これらの成分はいちご・キノコ・りんご・なし・昆布などの食材にも含まれています。

また、オリゴ糖は消化・吸収がされにくい糖質の総称で、特定保健用食品としても認められており、ドラッグストアなどで気軽に手に入れることができます。

糖アルコールやオリゴ糖は、腸内に棲みついている善玉菌に餌を与えるプレバイオティクス食品とも呼ばれています。善玉菌を摂取するだけでなく、それらが増殖しやすい環境を整えてやることが、痩せる体質作りには欠かせないのです。

「痩せる菌」におすすめのメニュー

・主食の食材を工夫する

主食を玄米や雑穀米、もち麦などに変えるだけで、腸内環境を整える食材を毎日の食生活に無理なく取り入れることができます。

中でも玄米には、高脂肪の食品を食べたいという欲求を抑制する「ガンマ・オリガノール」という成分が含まれています。個人差はありますが、玄米を食べ続けることで、食の好み自体を痩せ志向に変える効果も期待できます。

パンが好きな人は、ライ麦や全粒粉を使ったものを選ぶようにすると良いでしょう。


・副菜に取り入れる

日々の献立を考えるのが大変という人には、副菜に取り入れる方法をおすすめします。シンプルな材料だけで作ることの出来る副菜に「痩せる菌」の餌になる食材を取り入れれば、メインの料理でいちいち悩む必要はなくなります。

すぐに作ることができ、常備菜としても活用できる「酢キャベツ」や「酢玉ねぎ」は、毎日の食卓の強い味方です。また、きのこを冷凍しておくだけの「冷凍きのこ」もおすすめのメニューです。

作るのが大変という人は、市販のらっきょう漬けをおかずに加えるだけでもOKです。

腸内環境を悪化させるNG習慣とは?

腸内環境は日々の習慣によって改善することもあれば、逆に悪化してしまうこともあります。特に、以下のような習慣は「痩せる菌」の増殖を妨げるので注意が必要です。


食品添加物の多い食事

食品添加物とは、食品衛生法で「食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するもの」と定義されている成分のことです。具体的には、保存料・着色料・酸化防止剤・香料などがあたります。

市販の食品に含まれている食品添加物は、法律で安全性が認められているものなので、基本的に摂りすぎなければ大きな心配は要りません。ただし、乳化剤や人工甘味料などは、頻繁に摂取すると腸内環境に悪影響を及ぼすリスクがあるため、できるだけ避けた方が良いでしょう。


砂糖の過剰摂取

砂糖の摂りすぎも、腸内環境に悪影響を及ぼすことが分かっています。ジュースやスイーツなど砂糖を多く含む食品を日常的に摂取していると、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増えるだけでなく、炎症性腸疾患のリスクが増大するという研究結果もあります。

もちろん、甘いものを一切食べてはいけないというわけではありませんが、健康的に痩せるためには、砂糖の過剰摂取は腸内環境にダメージを与えるリスクがあるという点を覚えておきましょう。


アルコールの過剰摂取

適度なアルコールの摂取は血行を促進し、胃腸の働きを活発にさせたり、ストレスを緩和したりする効果があります。しかしその一方で、アルコールには腸に刺激を与え、悪玉菌を増やしてしまうリスクもあります。

特に、アルコールの過剰摂取はビフィズス菌やバクロテロイデスなどの「痩せる菌」を減少させ、大腸菌や腸球菌などの悪玉菌を増加させることが分かっています。


間食

食後におやつを食べるなど間食の多い人は、そうでない人に比べて腸内環境が悪化しやすいと言われています。その理由は腸のメカニズムにあります。

腸は、食事をした後2時間ほどかけて食物の消化や吸収を行います。消化・吸収の後は伝播性消化管収縮運動という運動を行い、殺菌性のある消化液を分泌して腸内環境を整えます。

この際に食物のカスや悪玉菌などを掃除するのですが、間食をするとこの働きがストップしてしまうため、排除しきれなかった悪玉菌が増えてしまうのです。


喫煙

喫煙も腸内環境にとっては大敵です。煙草を吸うと腸内細菌のバランスが崩れ、さまざまな機能が低下することが分かっています。

また、喫煙は腸だけでなく、口腔内の菌叢にも影響を及ぼします。私たちの口の中には約400種もの口腔細菌が棲みついており、それらの細菌は「口腔内フローラ」とも呼ばれています。

喫煙により口腔環境が悪化すると、歯周病をはじめとして、生活習慣病・心不全などのリスクが高まります。このように、喫煙は腸内環境だけでなく、全身の健康にとってもデメリットをもたらすのです。


ホットヨーグルトで痩せる菌を活性化!

善玉菌を手軽に摂取できる食材として人気のヨーグルト。そんなヨーグルトの持つ効果をさらに引き出してくれるのが「ホットヨーグルト」です。

ホットヨーグルトとは、人肌に温めたヨーグルトのこと。市販のヨーグルトをレンジで温めるだけで簡単に作ることができます。

この際に気をつけたいのが、ヨーグルトの温度。温めすぎるとせっかくの善玉菌が減ってしまいます。目安の温度は、人間の腸が最も活発に動くとされる38℃前後です。お使いの電子レンジにもよりますが、100gのヨーグルトを500Wで40秒ほど加熱すると、ちょうど良い温度に仕上がります。

朝食時にヨーグルトを食べるという人も多いかと思いますが、おすすめのタイミングは夕食後です。腸内環境は就寝してから3時間の、いわゆるゴールデンタイムに修復されるため、夕食後にホットヨーグルトを食べることでより高い効果が期待できます。


生活リズムを整えて健康な腸を作ろう

「痩せる菌」が増えやすい健康な腸を作るためには、生活リズムを整えることも大切です。不規則でバランスの悪い食生活や、睡眠不足など生活の乱れは、腸内環境を悪化させるだけでなくさまざまな体調不良の原因にもなります。


正常な腸内環境を維持するには、善玉菌などの餌になる食材を積極的に摂取すると共に、ウォーキングなどの適度な運動・規則正しく良質な睡眠・ストレスフリーな生活を心がけることが重要です。

まとめ

腸内環境を整えて「痩せる菌」を増やすことは、ダイエットに効果があるだけでなく、生活習慣病の予防など健康にとっても大きなメリットがあります。

体内の免疫細胞の60%以上が存在し、脳とも深い関わりのある腸は、元気な毎日を送る上でとても大切な器官の一つです。

ぜひ、こちらにご紹介しました内容を参考にして、「痩せる菌」の増えやすい健康的な腸内環境作りを実践してみていただければと思います。


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