ダイエット中はもちろん、それ以外のときにも意識しておきたい腸内環境。
実は腸の菌の多さやバランスによって痩せやすい・太りやすいということがあるのです。
痩せる菌の有無は食べ物や生活習慣などで決まるといっても過言ではありません。
今回は腸内にとって良くないことや、痩せやすい腸内環境になるための方法を具体的に紹介します。
いますぐ始められるものもあるため、ぜひ参考にして健康で痩せやすい身体を目指しましょう。
腸活で痩せるって本当？
近年よく耳にするようになった「腸活」。ご存知の方も多いかもしれませんが、腸内の環境をいい状態に整え、本来の力を取り戻す活動のことをいいます。
腸活をすることで便通の改善はもちろん、免疫力の向上や肌トラブルの改善などのメリットがあります。
さらに、腸内環境が正常になると体内で余分な脂肪を溜め込まず痩せやすい身体に近づけるといううれしい効果も期待できます。
今まで食事制限や運動をしてもなかなか痩せられなかったという方はもしかすると腸内環境が整っていないことが原因だったのかもしれません。
便通改善で身体の代謝が上がることと、腸内環境が整い痩せやすい体質になることから、腸活をすることで痩せやすいと言われています。
腸内の細菌
私たちの腸内には約100兆個の腸内細菌が生息していると言われています。またその種類は約1000種類ととても多いことも特徴です。
そんな腸内の環境を整えるポイントは腸内にいる良い菌を増やし育てることです。多くの種類がある腸内の菌ですが大きく分けると「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」があります。
腸内におけるこれらの菌のバランスは、善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%が理想とされています。
名の通り、腸内に「悪玉菌」が多くなると細菌毒素や発がん性物質を産生したり、有毒ガスが発生したりと腸内環境は非常に悪い状態です。
善玉菌、日和見菌の割合を増やせるように心がけることが大切です。
それぞれの菌の特徴は以下です。
善玉菌
ビフィズス菌や乳酸菌などが代表的な善玉菌として挙げられます。
消化吸収の補助をしたり、ビタミンの合成を促したりと、健康維持や老化防止に役立ちます。
悪玉菌の繁殖を抑えて、腸内環境を整える働きをします。
また、発がん性の物質を分解する作用も持っています。
悪玉菌
悪玉菌が増えることで、腸内の腐敗が進無ことで便秘や下痢の症状として現れます。他にも、細菌毒素の産生やガスの発生、炎症を起こしたり、発がん性物質を発生させたりと病気の引き金になります。
日和見（ひよりみ）菌
特にいい働きも悪い働きもしない細菌が日和見菌です。
腸内に善玉菌が多いときには何も働かず、悪玉菌が増えたり免疫力が衰えてきたりすると悪玉菌として働く特徴があります。
割合の多い「日和見菌」は腸内の環境によって、悪い菌に味方してしまう特徴があります。
そのため、腸内環境は常にいい状態を保っておくことが理想的です。
腸内の菌で痩せやすい身体に 痩せ菌とは？
腸内環境を整えることが痩せやすい身体になる近道です。
腸内の菌として3つ紹介しましたが、そのなかで善玉菌と日和見菌がいわゆる「痩せ菌」と言われている菌です。
また一方で、「デブ菌」などと呼ばれているのが悪玉菌です。
人間の腸内細菌と肥満の関係には諸説あり、正確な関連性はまだ示されてはいませんが、ワシントン大学の研究よると、同じ食生活や生活習慣の人でも痩せやすい体質の人と太りやすい体質の人がいるのは、腸内環境が関係しているという報告があります。
太ったマウスに痩せたマウスの腸内の菌を移植したところ、痩せたマウスも太りやすくなったという実験結果が発表されています。
このように、ダイエットを成功させたり、太りにくい体質にしたりするためには腸内に痩せ菌を増やすことが大切なのです。
【できれば避けたい！】腸内環境に良くないこと
痩せ菌を増やすことが大切だということがわかったところで、先に腸内環境にとって良くないことを紹介します。
これから腸内環境を整えて痩せ菌を増やしたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
お酒やタバコ
アルコールは腸内細菌にダメージを与えることがわかっています。多量の飲酒を長期間続けることにより腸内で悪玉菌が増えるため、連日の多量の飲酒は控えましょう。休肝日を設けたり、量を減らしたりと工夫する必要があります。
また、タバコの煙の成分のひとつであるニコチンは全身の血流を滞らせるほか、粘膜を弱める原因になり、消化器官の潰瘍をつくる恐れがあります。もちろん腸内環境も悪化してしまいます。副流煙にも注意しましょう。
電子タバコには添加物が多く含まれており、こちらも腸内環境を整えることにおいて好ましくありません。
糖分
砂糖や甘いものは腸内の悪玉菌が勢力を増す格好のエサです。
糖分は血糖値を急激に上昇させる恐れもあり、結果的に血管を傷つけることから腸の血管にも影響します。
糖分は消化能力を落とすため、腸の動きにとっても良くありません。
空腹時に摂らないなどの工夫をしながら付き合うとダメージを減らせます。
間食
腸は私たちが眠っている間や何も口にしていないときに蠕動運動を行なっています。
蠕動運動がしっかりと行われることにより、腸内の不要なものが押し出され、腸内環境が整います。
この何も口にしていない時間がなければ蠕動運動は行われません。
そのため、間食が多ければその分蠕動運動の時間が短くなってしまいます。腸内環境を整えるためにはしっかりと空腹の時間を作ることが大切であるため、間食はできるだけ控えたほうがいいでしょう。
食品添加物
普段口にしている食品にも食品添加物は含まれています。安全性の高い食品添加物もありますが、なかには危険性の高いものもあり、腸にダメージを与える恐れがあります。
例えば、トランス脂肪酸やたんぱく加水物解分などは危険性が高い食品添加物とされており、発がん性があったり、全身の細胞膜を劣化させたりと腸や健康へのダメージが心配されています。
食品表示を確認し、できるだけ安全性の高いものを口にするよう心がけましょう。
運動不足
普段からデスクワーク中心だったりあまり運動習慣がなかったりする場合も腸内環境が整いにくいでしょう。運動不足で筋力が低下し腹筋も衰えると便を押し出す力も低下します。
運動不足は便秘の原因にもなり、腸内環境を悪化させる一因です。
抗生物質
感染症などの病気にかかり処方された場合は別ですが、むやみやたらに長期間抗生物質を飲むことは腸内環境にとっては好ましくありません。
抗生物質は病気の原因となる菌の繁殖を抑えるだけでなく、腸内の良い菌にもダメージを与えます。
抗生物質を飲む場合には医師と相談しながら服用してください。また、同時に整腸剤を処方してくれる場合もあります。
偏った食生活
偏食や、肉中心の食生活などの場合、腸内細菌のバランスが悪くなり、悪玉菌が増えてしまいます。
また、同じ食事ばかりが続くと、腸内細菌に多様性がなくなってしまうことで腸内環境の悪化につながります。
手軽に始められる痩せ菌を増やす方法
腸内環境が悪化する原因は私たちが生活するうえで大変身近なところにあることがわかりました。
では、腸内環境を整え、痩せ菌を増やすためにはどのようなことをするといいのでしょうか？
腸内環境を大きく変化させるためには、約1年はかかるため、長期で続けられる方法を取り入れることがポイントです。
また、腸内環境が整い始めるのに最低でも3ヶ月はかかります。まずは普段食べているものを見直すなど、直接効果に繋がるものから改善していきましょう。
ここでは、手軽に始められる方法を具体的に紹介します。
食生活の見直し
腸内環境は私たちの食べたもので変わってくると言っても過言ではありません。
そのため、やはり食事の内容には気を配りたいものです。
インスタントやファーストフードに偏っていないか、甘いものが中心の食事になっていないかなど、これまで腸のことを考えた食事をしていなかった方は全体的な見直しをしましょう。
また、食事の時間帯や間食の取り方など、これまでの食習慣についても見直す必要があります。
運動を習慣づける
運動することで適度な刺激や振動が腸に伝わるため、便秘の解消や腸の調子を整えることにつながります。
普段は座っていることが多いという方も、1日20〜30分は歩く、週末はヨガで身体をしっかりとストレッチさせるなど運動を習慣づけましょう。
発酵食品を積極的に摂る
発酵食品には乳酸菌が含まれており善玉菌を増やすことにつながります。
納豆や漬物、ヨーグルト、チーズなどは食事の際に積極的に摂る習慣をつけることで腸内環境の改善が期待できます。
他にも甘酒や鰹節、味噌なども発酵食品です。普段の食事に取り入れやすい食品が多いことも嬉しいですね。
食物繊維をしっかりと摂る
発酵食品とともに摂りたいのが、食物繊維です。
食物繊維は「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」に分けられ、それぞれ以下の特徴があります。
水溶性食物繊維
善玉菌の栄養素になり、悪玉菌の繁殖を抑える
不溶性食物繊維
便のかさを増やし、排泄を促進する
野菜や果物、キノコ類や海藻類は水溶性食物繊維、豆類やごぼう、芋類、穀物類などは不溶性食物繊維にあたります。
どちらも摂ることで腸内環境の改善が期待できます。
整腸剤やサプリメントでサポートする
便秘や下痢などお腹の調子がすぐれないときに飲むイメージがある整腸剤ですが、乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌などが主な成分であり、腸内環境を整える働きをすることから日常的にサポートとして摂取することもひとつです。
また、乳酸菌や食物繊維、オリゴ糖など腸の環境に効果的な成分を一つにまとめたサプリメントなどもあるため、腸活をスムーズに行うために取り入れてもいいでしょう。
ストレスを溜めない
腸は私たちの体の第二の脳とも言われており、内外的な変化を敏感に感じ取る臓器です。
そのため、ストレスが続くことで便秘や下痢を引き起こし、腸内環境は悪化してしまいます。
ストレスを感じたらこまめに発散できるような環境づくりをしたり、趣味や気分転換になるものを見つけたりとストレスを溜めにくくすることも腸活につながります。
また、過酷なダイエットや偏った食事、睡眠不足などもストレスにつながるため、そうした生活習慣から見直すことも大切です。
お腹まわりのマッサージをする
腸内環境を整えるためには、食べ物や生活習慣の見直しとともに、腸のマッサージをすることも効果的です。
適度な刺激を与えることで腸本来の動きを取り戻し、腸の老廃物の排泄がスムーズになります。
また、便秘やガス溜まりを防ぐことでぽっこりお腹の改善にもつながります。
さまざまなマッサージ方法がありますが、基本的には優しく時計回りにマッサージをし、柔らかくすることがポイントです。
また、腸セラピーなどのサロンでは、腸もみや腸マッサージなどを行ってくれます。
自身でのマッサージでは効果がなかなか感じられないという方や、リラックス目的で利用するのも良さそうです。
まとめ
腸内には痩せやすくなる菌、太りやすくなる菌などに分けられ、普段の生活習慣や食生活によってそのバランスが整ったり崩れたりすることがわかりました。
腸内環境が整っているとダイエットも成功しやすい傾向にあるため、これまでなかなかダイエット効果が出なかった、ダイエットをすると便秘気味になるという方は、今回ご紹介した腸内環境を整える方法を試してみてくださいね。
また、腸のマッサージも効果的です。自身でのマッサージを習慣にしながらときにはサロンで腸をほぐしてもらうのもいいですね。
自身ではそこまで効果がない場合でもプロの手を借りることで見た目もスッキリし、腸内環境もますますいい状態を保てるでしょう。
腸内環境を整えながらダイエットやエステに通うことでより効率的に理想の体型に近づけそうですね。
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