「最近、お腹周りがポッコリしてきた…」
「お腹が張りやすく、不調続き…」
そんなお腹周りのトラブルを手軽に解消できるのが、お腹マッサージです。
別名”腸もみ”とも呼ばれており、最近では書籍も出ているほど人気のセルフケア方法です。
便秘や下痢、お腹の張りやたるみといった、お腹周りのトラブルは内臓疲労が原因となっている場合が多く、お腹マッサージを行うことで改善できます。
そこで今回は、お腹マッサージの効果と、注意点、簡単なお腹マッサージのやり方をご紹介します。
お腹マッサージとは
お腹マッサージは、腹部を手のひらで揉むことで、腸の動きを活発にして、腸内環境を整えるためのマッサージ法です。
腸もみとも言われ、マッサージを行うことでこりが取れ、腸の動きがスムーズになります。
また、大腸の動きが良くなることで、老廃物の排出が促進されるので、便秘の改善が期待できるのです。
お腹の調子を整えて働きを良くする
最近では、腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど重要な器官として注目を集めており、腸内環境を整えることで、ダイエットや健康に活かす「腸活」も人気となりました。
というのも、腸の不調が体全体の健康状態を悪化させることが分かってきたからです。
■腸の不調はダイエットや健康に悪影響を及ぼす
腸内環境が悪化し、腸の働きが衰えてしまうと、本来排出しなくてはいけない便が腸の中に長時間とどまることになってしまいます。
とどまった便は、腸内で有害物質となって、血液を介して全身に巡ります。すると肌荒れや体の冷え、基礎代謝の低下といった様々なトラブルを引き起こしやすくなります。
■腸の不調によって引き起こされるトラブル
・痩せにくい体質になる
・お腹が張りやすい
・便秘や下痢を繰り返しやすくなる
・むくみやすくなる
・身体の重さやだるさを感じる
また、便が腸内に長期間とどまると、やがて「宿便」となって腸壁にこびりつきます。
宿便が溜まった腸は、冷え固まり、お腹の内側から周辺を圧迫するため、ぽっこりお腹となって現れるのです。
そこで、こういった腸の不調を改善するのに有効なのがお腹マッサージです。
お腹マッサージによって、腸の働きを外側からケアしてあげることで、お腹の調子を整えることができます。
お腹マッサージの効果とは
では具体的に、お腹マッサージを行うことでどのような効果が得られるのでしょうか。
続いて、お腹マッサージに期待できる効果を見ていきましょう。
内臓疲労の回復
お腹マッサージを行うことで、内臓疲労の回復が期待できます。
内臓疲労とは、食べ過ぎや飲み過ぎなどで起こる腎臓や肝臓の不調で、お腹の張りや、便秘・下痢といった様々なトラブルに繋がります。
そのため、マッサージによって胃腸の緊張をほぐしてあげると、肝臓や腎臓の働きが活性化され、内臓疲労が回復しやすくなるのです。
また、マッサージによって腸内の血行も促進されるため、血液を作ったり、血圧を調整したりする肝臓の働きが良くなります。
血液の流れが良くなると、食べたものの栄養もしっかり吸収できる体質になります。
便秘改善
お腹マッサージで、腸の動きが活発になるため、便秘の改善にも役立ちます。
特にお腹マッサージは、直接腸を刺激してぜんどう運動を促すため、便意を起こさせてくれます。
また、お腹周りには、便秘解消に効果的とされるツボもいくつか存在します。即効性も高いので、お腹マッサージと併せてツボ押しも行うと良いでしょう。
お腹のハリの解消
便秘が続くと、溜まった便のせいで下腹がポッコリと出てきてしまいます。太ってなくても、ポッコリお腹で悩む女性も多いでしょう。
また、お腹の張りは見た目だけでなく、苦しくなったり、酷い時は痛みを感じたりと、生活にも支障を来たします。
そんなお腹の張りも、お腹マッサージを行うことで解消することができます。
お腹痩せ
お腹マッサージでお腹痩せも期待できます。
というのも、お腹周りの脂肪にダイレクトにアプローチできるというメリットのほか、マッサージによって血液やリンパ液の流れが良くなるため、むくみも取れやすくなるからです。
さらに、日頃からマッサージを行うことで、新たな脂肪やセルライトが定着するのを防ぐこともできます。
このように、お腹マッサージにはダイエットや健康に嬉しい効果をたくさんもたらしてくれます。
お腹マッサージでケアしたい臓器
そんなお腹マッサージですが、実際に行う際に意識してケアしたいのが以下の4つの臓器です。
・肝臓
・胃
・小腸
・大腸
臓器の位置を確認しながら、優しく揉みほぐしてあげましょう。
肝臓
肝臓は、アルコールの分解や小腸で吸収した栄養素を貯蔵したり、分解したり、合成したりして体に必要な栄養分を送り出す役割を果たしています。
体右側の肋骨下にある臓器で、マッサージしてあげることで血の巡りを良くすることができます。
胃
体の左側に大きくせり出すように位置している胃は、食べたものを一時的に貯蔵して、胃液を分泌して消化し、腸へと送り出す役割を担っています。
胃の働きが弱まることでも、お腹の張りや下痢、便秘といったトラブルを引き起こしてしまうため、胃の周りも意識しながらマッサージしましょう。
小腸
胃から送り込まれた食べ物を消化・吸収するのが小腸です。
小腸はおへその周りをぐるぐると円を描くようにマッサージするのがおすすめです。
大腸
大腸は、小腸から入ってきた食べ物の水分を吸収して、適度な硬さとなって便を形成します。
そして、ぜんどう運動によって便を体外へと排出するのですが、この動きが低下することで便秘を招きます。
大腸のぜんどう運動を促すイメージで、マッサージしましょう。
これら4つの臓器を意識しながら、マッサージを行うのがポイントです。
お腹マッサージに向かない人
続いて、お腹マッサージを行う前に、マッサージに向かない人をご紹介します。
以下のような疾患をお持ちの方や、当てはまる方は注意しましょう。
妊娠中、または出産後の女性
妊娠中は、便秘になりやすく「お腹マッサージが効果的」という声もありますが、注意が必要です。
特に妊娠初期の段階では、子宮内の環境も整っておらず、無理なマッサージで刺激を与えてしまうと、流産などのトラブルを招く危険性もあります。
自己判断は避け、医師にマッサージを行ってもいいか確認してからにしましょう。
胆石や腎臓結石がある方
胆石や腎臓結石がある方も、お腹マッサージは避けましょう。マッサージを行うと痛みを強く伴う場合があります。
また、症状を悪化させてしまう可能性もあるので、必ず医師の指示を仰ぐようにしてください。
腹部に位置する内臓に炎症がある方
内臓疾患をお持ちの方や、腹部に位置する内臓に炎症がある方も、マッサージの刺激が原因となって、症状を悪化させる恐れがあるので避けましょう。
どうしてもお腹マッサージを行いたい場合は、医師と相談してください。
重度のヘルニア（腰痛）持ちの方
重度のヘルニアをお持ちの方は、自己流のお腹マッサージで悪化する可能性もあります。
こういった疾患をお持ちの方は、プロの施術が必要な場合もあるため、自己判断でマッサージを行わないようにしましょう。
潰瘍などの疑いのある方
胃や十二指腸潰瘍の疑いがある方も、お腹マッサージは避けるべきです。
主治医と相談の上で、始めるようにしてください。
お腹マッサージで気を付けたい注意点
続いて、お腹マッサージで気を付けたい注意点もご紹介します。
みぞおちやおへそなどの急所は指圧しない
みぞおちやおへそは、お腹の急所なので指圧しないようにしましょう。
周辺を手のひら全体でマッサージするのがポイントです。
ピンポイントで指圧しない
指で押し込むような、ピンポイントの指圧はNGです。
ピンポイントで強く押してしまうと、刺激が強く腸がストレスを感じてしまいます。マッサージを行う時は、手のひら全体で優しく行いましょう。
もし痛みを感じたら、すぐに中止してください。
お腹マッサージのやり方
最後に、誰でも簡単にできるお腹マッサージのやり方をご紹介するので、ぜひ実践してみてください。
寝たままでもできる！「おなかもみ上げ」
寝たままでも手軽にできる「おなかもみ上げ」は、時間もわずか1分ほどなので簡単でおすすめです。
やり方は以下の手順を参考にしてください。
1.仰向けに寝転がり、両膝を立てましょう。
2.左右のあばらの下を同時に10回ほどさすります。
3.続いて、左右の股関節を同時に10回ほどさすります。
4.次に、おへその周りをおなかに向かって時計周りにさすりましょう。
5.続いて、両手の親指と小指以外を第一関節くらいまで重ねた状態で、おへその右下から時計回りに押し上げるようにマッサージします。
6.最後に、おなか全体を時計周りに10回さすって終了です。
押し上げるようにマッサージする際は、力加減に注意して痛くない程度の力で行うのがポイントです。
便秘の方向け「腸セルフマッサージ」
続いて、便秘の方向けにおすすめの「腸セルフマッサージ」です。
こちらも手順は以下を参考にしてみてください。
1.まずは、マッサージする前に両手を軽く温めておきましょう。
2.おへそに両手を当てて、深呼吸しながら3cmほど押すようにおなかを押したまま10秒キープします。
3.続いて、手のひら全体で右腹部肋骨の下を3㎝ほど押して10秒キープし、波立たせるように揉みこみます。＊右腹部をスタートにして時計回りにマッサージしましょう。左右同じように行います。
4.次に、親指以外の指4本が腹部に来るように手を当て、肋骨の真下から腰骨に向かって10回もみこみながら腰骨まで移動させます。
5.続いて、おへそに両親指を当てて、4指を腰骨に当たる位置に置き、ハの字になるように優しく10回ほど揉みほぐします。
6.次に、手のひらでおへその近くを腸の形をイメージしながら時計回りに10回ほどグルグルと円を描くようにマッサージします。
7.続いて、下腹部を左から右へ便を移動させるように10回押しましょう。
8.最後に、両手の手のひらで親指がみぞおちに来るように広げて、手のひら全体で膀胱のあたりまで10回ほど押し流して終了です。
マッサージ後は、白湯をコップ1杯ほど飲むと体が温まって、巡りもさらに良くなるのでおすすめです。
ご紹介した2つのマッサージを取り入れて、お腹の調子を整えてあげましょう！
まとめ
今回は、お腹マッサージの効果と注意点、簡単なやり方をご紹介しました。
お腹マッサージで腸の働きを整えてあげることで、便秘の改善や、むくみ解消、血行促進や代謝アップと、ダイエットにも美容・健康にも嬉しい効果がたくさん得られます。
お腹の不調は、痩せにくい体質を作るだけでなく、様々な健康被害をもたらす可能性もあるので、日頃からマッサージを習慣化してケアしてあげることが大切です。
ぜひ、ご紹介したポイントに注意して、体の内側から”キレイ”を手に入れましょう！
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